石油等の資源もなく、食料の自立的供給もままならない日本にとって、唯一の資源は人材育成であるといえます。また、国民の3分の1が65歳となる超高齢社会、裏返せば超少子化社会の到来の中で、限られた有能な人材を育成し、働きがいのある職場を提供することは、日本の活力を維持していく上で待ったなしの緊急課題であるといえます。そこで、人材育成の重要性故に、日本は「科学技術立国」を宣言し、大学を大学院重点化すると共に、大学院課程の定員を大幅に増加させてきました。しかしながら、この点における我国のパラダイムシフトは未だ完結しているとは言いがたく、多くの有能な博士学位修得者が、その実力を十分に発揮できる職につけていない実情があります。
名古屋大学では、若手研究者の育成に力を注いできました。地に足をつけた研究だけでなく、チャレンジする研究環境を整備し、高い研究倫理を有する研究者の育成として『若手研究者の自立的研究環境整備促進事業』を実施しています。一方、若手研究者のキャリア選択に対する組織的な支援を行う事業として、『科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業』を実施してきました。
これらの実績を基にして、平成20年度からは、文部科学省科学技術振興調整費「イノベーション創出若手研究人材養成」の採択を受け『社会貢献若手人材育成プログラム』を実施しています。大学内に新たに『社会貢献人材育成本部』も設置し、大学生から博士課程の大学院生・ポスドクまで一貫してキャリア支援を行える体制を創りました。このプログラムでは、専門分野の知識だけでなく、多様な分野で活躍するための能力を育成していきます。またこのプログラムでは、名古屋大学のみならず、静岡大学・浜松医科大学・名古屋市立大学・名古屋工業大学・岐阜大学・三重大学・富山大学・福井大学・豊橋技術科学大学・自然科学研究機構岡崎サイトの協力機関と連携して、若手研究者の育成により一層の努力をしていきたいと思っております。
大学院生・ポスドク及び指導教員の皆様には、積極的なご参加・ご支援をお願いします。また、産業界の皆様におかれましても、従来以上のご支援をお願いする次第です。こうした若手研究者人材育成を通じて、東海地域・中部地域・日本が先端科学技術の焦点となることを期待しております。





